「ギター・メンテナンス」カテゴリーアーカイブ

ESP ベース フレット調整

spanam ヤシ氏 ESPレリック・ベースの調整を行いました。
昔から大好きなspanamのベースをやらせて頂いてモチベーションが上がります!

ピックアップのウレタンスポンジが経年で痩せて、ピックアップがグラグラと不安定だったので、ウレタンスポンジを新品の硬めのモノに交換。

またほとんどのフレットに浮きが発生していたタメ、各フレットでビリツキが発生し、またキッチリと鳴っていない箇所も有りました。

全ての浮いてるフレットを打ち直しました。

指板溝が緩く、打ち直してもシッカリと収まってくれないフレットは1度抜いて整形し、再度打ち直しました。

前処理が終わりフレットすり合わせ。

キッチリ直線をだします。
更にフレットの頭を丸く整形し、ペーパーの番手を細かくして仕上げていきます。

最後にセットアップ。”ネックの反り”、”弦高”、”ピックアップ高”、”オクターブ”を調整して完成です!

1音1音シッカリと鳴ってくれて、最初とは見違えるほど良くなってくれました。オーナー様にも大変喜んでいただけました。

history プレシジョンベース フレット調整

History プレシジョンベースのフレット擦り合わせを行いました。

使用頻度の高い3、5、7、9フレットが激しく消耗し、凹んでしまっているためビビリがかなり出ていました。。。

ネックジグにセットし、弦のテンションをかけながら擦り合わせを行います。1番低くなっているフレットに合わせて、全体的にフレットを落として行きます。

綺麗な直線が出たところでネックジグから外し、台形状に削れたフレットの頭を丸く仕上げて行きます。

さらにサンドペーパー#600、#800、#1000、スチールウールで直線を崩さないように注意しながら磨き上げます。

擦り合わによりフレットが全体的に低くなります。その為ナットが相対的に高くなるのでナット調整も行いました。

最後に新品弦を張り、全体調整(ネックの反り、弦高、pickup高、オクターブ調整)をして完成です。historyのネックは非常に作りが良く、作業が捗りました(o^^o)

オーナーさんにも喜んで頂けました。

Gibson FV ナット交換&メンテ

82年製Gibson FVのメンテナンスをやりました。

こちらはボリウムのガリが酷いため、ポット交換を考えましたが「なるべくオリジナルパーツを変えたくない」というオーナーさんのご希望で、ボリウムポットを分解し内部を無水エタノールにて清掃して対応しました。またハンダ割れの箇所を修正。スイッチ、ジャック周りもクリーニング。

さらにナットがかなり減っていて開放弦でビビリがかなり出ていたので、ナット交換を行いました。オイルド・ボーンナットをチョイス。

弦の滑りが良く、チューニングも安定します。何より見た目がシブい!そしてオシャレです。

使用弦の太さに合わせてナット溝を切り、解放弦の音を確認しながらナット溝を仕上げていきます。

金属パーツもビス1本まで外し、クリーニング。最後にセットアップをして完成です!

オーナーさんにも喜んでもらえました。嬉しい瞬間です!

ATELIER Z フレットレスベース

本年はATELIER Zのフレットレスベースのリペアからスタートです!

かなり弾き込んだベースです。
ナットが限界まで削れて指板面とツライチまで落ちてしまってるので、ナット交換します。

ちょっと高級なオイルナットを用意。

元のナットを外し、ナットスロットの底面をフラットに整えます。
ナット底面もフラットに仕上げ、極少量のアロンアルファで取り付け。使用する弦の太さに合わせて各溝を調整していきます。

金属パーツがかなり汚れてサビも出てるので、全て取り外し洗浄しました。

最後にセットアップ(ネックの反り、弦高、ピックアップ高、オクターブ調整)をして完成です。

ナット交換したので解放弦のビビリも無くなり、鳴りが全然良くなりました。

トム・アンダーソン フレット調整

トム・アンダーソンのフレット擦り合わせ作業を行いました。

擦り合わせといっても全体ではなく1・2弦のハイフレットのみ。
17フレットあたりがかなり減っていて、ビビりと言うよりも音詰まりしてしまう感じです。

よく使うフレットはどうしても減りが早いので、低くなってしまったフレットに合わせて、それ以降を多めに落として行きます。

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直線が出たらフレットを整形して磨きあげます。

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ついでにボリウムポットも交換。ノブが金属製なのでナイロンシャフトのCTSポットを使用。

ポットのトルクが強く、ボリウムを回しにくいとの事でしたので、ポットを分解しポットが軽く回るように調整しました。

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セットアップ(ネック反り、弦高、ピックアップ高、オクターブ)をして完成です。ハイフレットのビビリもおさまり、見た目もピカピカになりました。

しかしこのギター、生でも非常に良く鳴ってくれます。弾き込んだギターは1度調整すると生まれ変わりますね。

StingRay BASS フレットすり合わせ

ミュージックマン スティングレイBASSのフレット摺りあわせを行いました。

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このベースは半音下げで使用、かなりヘビーな音楽で使用しているようで、ローフレット側が極端に減っていました。またスラップの影響か、弦の振幅がハイフレットに当たって大きく削れたのがわかります。

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すり合わせの前にフレットの浮きを確認すると、かなりの箇所でフレット浮きが確認できます。薄い紙をフレットと指板のスキマに這わせ、スキマを確認します。

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このような場合はネックをクランプで固定し、フレットを治具で打ちこみます。

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新しく導入したネックジグで弦を張った時と同じ状態になるように、ネックにテンションをかけながら、フレットの摺りあわせを行いました。この方法だと通常の摺りあわせよりもさらに精度を上げる事ができます。

image全フレットの高さががビシッと揃ってます。

image次にフレットの高さを崩さないように、#400、#600、#800、#1000のペーパーでキズを磨いていくとフレットにツヤが出てきます。仕上げにスチールウールで磨いていくとフレットの光り方が変わってくるのがわかります。

imageさらにナットの底面がフラットになるよう削り、少量の瞬間接着剤で接着します。ここを完全にフラットにしてからセットすると開放弦の鳴り方が変わります♪

image最後に全てのセットアップをして完了!全ポジションでビビリなく気持ちよく鳴ってくれます。

※ただベースの場合、弦の振幅が大きいため、強く弾いたりスラップ奏法の場合にどうしても若干のビビリが出てしまいます。

オーナー様にも大変喜んでいただきました。

 

 

PRS カスタム24 フレット摺り合せ&ナット調整

ポールリードスミス カスタム24のフレットすり合わせ、ナット調整を行いました。

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フレットサイドを丸く処理、フレット浮きが無いかチェックしてからすり合わせに入ります。

2,3弦の12-14フレット周辺がかなり減っていたので、ここに合わせて他のフレットを全体的に落としていきます。

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開放弦が完全に鳴りきっていない感じだったので、ナットの高さを調整しながらナット溝を整形。弦の形状とぴったりになるように整形していきます。

ナット上面の高さがかなりあり、ナット溝を整形する際に邪魔になるので、上面をヤスリで落としていきます。この後#400、#600、#800、#1000の順にペーパーで磨き、研磨剤で仕上げます。

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最後に弦高、ブリッジなど一通りのセットアップをして完成です。

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特定フレットでのビリツキもなく、生音でも気持ちよくなってくれるようになりました。毎度思いますがPRSのギターはネックの造りが素晴らしく良いですね。

オーナ様にも大変喜んでいただきました。

PRSギター フレット摺り合せ&ナット調整

 

PRSのフレット摺り合せ&ナット調整をおこないました。

オーナーさんのお話だと、購入してから10年以上フレットの調整はしてないとのこと。作業前にフレットの状態を確認してみると、よく使用するローフレット側のフレットトップはかなりけずれて平たくなってます。そのかわりにハイフレット側はまだまだフレット山がたくさん残っていて、全体的にフレット摺りあわせが必要と判断。

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このギターは2音半下げ、しかも012-056の極太弦を使用しているので、通常の摺りあわせだとキッチリ鳴ってくれません。

いつもよりも時間をかけて慎重に摺りあわせを行いました。しかしPRSのネックは造りがいいですね!ロッドを5°回すだけでも、ネックがキッチリと動いてくれます。

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摺り合せが終わったら、ペーパーで摺り合せキズをとっていきます。

フレットの高さを崩さないように、#600、#800、#1000、そして最後にスチールウールで横に磨き上げてから金属研磨剤で仕上げます。

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ナットがシッカリとナット溝に接地していなかったので、一度取外しナット溝をノミでフラットにさらいます。ナット側の底面もしっかりと平面を出して、少量のアロンアルファで接着。

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マスキングテープをゆっくり剥がしていきます。

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あとはネックを組み込み弦を張ってから、トラスロッド調整、ブリッジ、PU高、オクターブ調整をして完成です!キッチリ組み上げた結果、生音でもブリンブリン鳴ってくれてます。

後日、オーナーさんにも大変ご満足いただけました。ギターはセットアップで本当に変わりますね。

テレキャスター フレット摺り合せ

オールマホガニーのテレキャスターのフレット摺りあわせです。

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このギターはマホガニーネック、マホガニーボディーにP90が乗っているギターです。

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まず摺り合せの前に、フレットサイドが浮いている部分がかなりあったので、フレット浮きの修正作業から始めます。ここの処理が仕上がりに大きく影響してきます。

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フレット摺り合せを行い、フレットがビシッとそろっています。

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後はフレットの高さを崩さないように、ペーパーやすり#320、#600、#800、#1000で順番にフレットのカドを丸く仕上げていきます。

最後に金属研磨剤で磨き上げたらマスキングをはがし、各部のセッティングをして完成です。

処理前はフレットの浮きがかなりあったので、ところどころで音のビビリ、詰りが発生していましたが、摺り合せ後は全部のフレットできっちりといい音で鳴ってくれています。